稲川淳二 『生き人形』考察 Study of Cursed Doll’s Tale

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これは、実話であり、現在進行形のお話。この手の話に弱い方は注意されたし!!

個人的な趣味になってしまいますが、前回に引き続き怪談モノです。
稲川淳二氏の実体験に基づく怪談話の中でもひときわ有名なお話・・・生き人形
この『生き人形』というタイトルは氏自らが名付けたわけではなく、いつの間にやらその様に呼ばれるようになった経緯がある。
それほどに有名だった・世間を騒がせたお話であった事の証でもあります。
とても有名なお話なので、内容を知っている人は多いと思いますが、あらましを説明すると・・・

人形芝居に使われた少女人形に魂が宿り、怪奇な現象が続発したというものである。
芝居の脚本家の家は火事で全焼。人形制作者は行方不明。
少女人形がTVに出た時には、照明が激しく揺れる、画面に男の子の霊が映るなどしてスタジオはパニックになったという。

古来より、人形(ひとがた)に魂(霊)が宿る事は珍しい話ではない。というか普通にある。例えば仏像に御霊を入れるのもそうだし、陰陽師が式神をおくる時にも使われるし、亡くなった所有者の霊が大事にしていた人形に宿ったりすることはよくある。遊び相手の人形に全く別の人格が宿る事もある。
本件に置いては、宿った霊が人に危害を及ぼすことが特徴的であり、稲川氏の話の中でも、その点は大いに語られている。
が、私がこのお話を最初に知った頃、疑問に思った事がある。
人を呪う霊が人形に宿ることがあるとすれば、一体、どういう使い方をしたのだろうか?と。
それ以来、稲川氏が語るこの話は何十回も聞いているが、人形芝居の内容自体には触れてくれないので、全くの偶然に悪霊(ここではそう書く)が憑いてしまい、稲川氏らは善良な被害者だと思っていました。
しかし、今、その芝居内容の一端を知る事ができ、考え方がかわってきました。
人形芝居・・・『呪夢千年』とは、人形師・前野博氏の代表作であり、『呪夢千年』昭和50(1975)年、『呪夢千年-恋情愛狂編』(1976)、『真説 呪夢千年』(1978)、『真説 呪夢千年-少女人形伝説』(1980)と、リメイク公演を重ねた芝居である。

『公害のるつぼの中から甦ってきた少女は千年に渡り世を呪っている。その少女が若者に恋をした。ならぬ恋である。』というのが主題らしい。
昭和の時代を生き抜いた少女みたいな話で、コラージュなのでストーリーは無いんです。ただ、その少女がいろんな恋愛をしたり、ひどい目に遭わされたりっていうのを、次から次へとシーンで見せていって、人間と人形のコラボレーションみたいな感じのものでした。前野さんは人形も好きだったけど映画も好きな方で、人間の芝居にも詳しい方だったので、そういう劇をやりたかったみたいです』と、当時の出演者である石丸有里子氏は語っている。
白塗りの男が目を剥く光景は当時のアングラ劇の雰囲気を伝えるし、裸の少女人形と少年人形のSexシーン、少女人形が小水をしている所を男が下から覗き込むシーンもあった。
新聞では人形ストリップ等と紹介される事もあって、この独特な感性による夢幻世界は必ずしも理解されなかった。

当時の様子を伝える数少ない資料をあげてみたが、アングラ、デカダンな雰囲気は伝わると思う。
そもそも、この人形芝居は、千年もの間、世を呪っている少女を人形を通して表現している。これは、少女の念を人形に入れている事に他ならず、一種の黒魔術をやっていたと言えなくもない。
一貫したストーリーがあり、ハッピーエンドを迎える内容だったら、違ったかもしれないが、コラージュ劇でシーンに繋がりが無い。
・・・そりゃ、呪いに限らず、複数の魂が宿ったとしても不思議はない。

後に、この人形を霊能者・久慈霊運氏に見せた時、『稲川さん、この人形何に使ったんですか?この人形、生きてますよ。たくさんの女の怨念が憑いてる。』
稲川氏から舞台の内容を知らされると『あなたそんな事やったら、ダメに決まっている!』と言われたらしいが、なるほどである。
人形芝居の結果、霊が宿ったにしろ、芝居をやる以前からの不可思議な体験・現象から考察すれば、稲川氏にとっては避けられない運命だったとも言える。

さて、前置きが長くなってしまったが、本題に入ろう!
今回紹介する作品は、1999年に厚生年金会館ホールで行われた『怪談ナイト1999』。これは、翌年の2000年にビデオ化されて発売されました。
そのビデオをデジタル化したものです。

file link===>Cursed_Doll_-_-Real_story,horror.rar(1.4GB,85mins)

1990年代の後半には既に伝説化していたこの怪奇譚の全貌は、1999年の怪談ライブにて語られ、翌2000年にビデオが発売された。
本日紹介する作品がこのビデオである。

さて、無事に!ビデオ鑑賞できましたら、次ページ・・・検証・補足編にお進み下さい。
まあ、先に検証ページを見てから、観て貰った方が良いかもしれんが。

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2 thoughts on “稲川淳二 『生き人形』考察 Study of Cursed Doll’s Tale”

  1. フフフ・・・実は私も怪談は大好物でしてね・・・

    近年稲川さんはご自身のチャンネルの生放送でちょこちょこ生き人形の話をされてたりします。
    https://youtu.be/bBcsCb5Pse8?t=3011
    他にもいくつかありますが、チャンネルトップの検索欄にて「生き人形」で検索するともうちょっと見つかります。
    検証6からもしかしたらご存じかもしれませんが、思い出したが吉日ということで!

    Reply
    • 毎度どうも!
      稲川ちゃんのYouTubeチャンネル、ニコニコちゃんねる共に愛読中でございます!
      ご同好の方が居てくれて安心しました。(笑)
      もし未だにチェックされていないならば・・・川奈まり子さんのチャンネルもご覧になられると楽しいですよ!
      川奈さんの場合、実話怪談でしかも話のウラを取るという作業もされていまして・・・DVD作品の中では実名を出しちゃったりするので、炎上したこともあります。(アマゾンプライムで観れるはず)

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