裏ビデオのススメ What is the Ura-Video?

昭和の風俗を語る上で外せないのがビニ本・裏本、そして裏ビデオ。
1970年代終盤にビニ本が、その流れから裏本へと発展し、これは儲かるんじゃね？と考えた人達によって裏ビデオの制作が開始されたらしい。
その初期の作品で関東モノ裏ビデオ第1号と言われる『人妻たちの性体験　濡れ濡れ』が作られたのが1981年～82年春と言われています。
公園で人妻をナンパしてマンションに連れ込んでヤってしまうという簡単な内容であるらしく、制作グループ、演者等の詳細は不明。
また、日本最古の裏ビデオは1979年頃に作られたのではないかと推測されています。
この、裏ビデオ黎明期を大きく切り開いたのが、皆さん御存知の『洗濯屋ケンちゃん』です。

1982年に発売されたこの作品は、一大ヒットとなり裏ビデオブームを巻き起こすことになります。
当初、制作グループが卸した正規版は200本程度だが、中間者によってダビングされ一般に出まわること13万本と言われています。
総売上は10数億円とまで言われたが、出演者のギャラは男優9万円、女優7万円、監督はノーギャラであったとの関係者の証言がある。
(男優の方が高いのも気になるが、このギャラは安いんじゃ？)
当時はまだ高額であった家庭用のビデオデッキを売る為の販促品に利用した電気店もあったらしく、VHS方式の普及に大きく貢献したという。
(1976年に民生用として発売されたVHSビデオデッキ。当時は非常に高額30万円位しました。また、国産第1号のアダルトビデオ（AV)は1981年に発売されたとWikiに書いてありました）
尚、洗濯屋ケンちゃんの制作費は280万円と言われている。
一連のケンちゃん騒動を目の当たりにしたビニ本・裏本関係者達による、二匹目のドジョウ作戦が翌年からの裏ビデオ乱発を生むことになりました。
しかし、1988年頃からはいわゆる流出モノが出まわり始めたため、本物の裏ビデオの制作は減少していったが、90年頃までは作られていたんじゃないかと予想されます。
このサイトで、裏ビデオと呼ぶのはその時期までのモノに限定し、区別化していきたいと思っています。
とは言え、その判別は非常に難しいので、間違うこともあると思います。ご了承を。
これは、私事だが、80年代中頃に良く通っていたレンタルビデオ屋のおばさんからの話。
一般の映画やアダルト作品が1本400円位でレンタルされていた時代の話なのだが、お店創立初期の資金繰りに裏ビデオをレンタルしていたと言う。
1本数千円でレンタルしていたらしいが、そこから推測するに、お店に卸された時の価格は相当に高額だったと思われる。
(普通の裏ビデオは末端価格は数千円程度らしい)
制作グループ自体にはたいした利益はなかったかもしれないが、中に入った業者はエライ儲けたんじゃなかろうか。
その筋の方達の資金源になったというのも頷ける話である。
さて、洗濯屋ケンちゃんであるが、青姦シーンのロケ地は千葉県浦安市舞浜であり、今は東京ディズニーランドが建っている場所だ。
当時の風景の貴重な資料とも言える。
制作グループは翌1983年春に摘発され、制作の出口富雄氏は懲役6ヶ月・執行猶予2年の判決を受けた。

※洗濯屋ケンちゃん Ken-chan the laundryman

手元には2つのバージョンがあり、片方が10分ほど長い。(40分と50分)
青姦シーンの尺の違いだと、私は判断した。
2バージョンあるのは、おそらく生テープの価格を抑える為だと思う。
当時、業務用テープは45分、60分の区切りがあり(記憶なので間違っているかも)、少しでも儲けを多くしようとしたんじゃないかしら。
関係者が摘発された事によって、制作陣営も明らかに。
プロデューサー：堀内
制作：出口富雄
監督：藤井智憲
助監督：ナベちゃん
カメラマン：松川
女優キャスティング：スカウトマン矢島
出資者？：白井
が、男優がきたばやしけん以外の出演者の名は判っていない。
以上、情報源は裏ビデオWikiを参考しました。